頭もかなり使う仏像彫刻

2016年9月17日 [ CAT 仏像彫刻周辺の話] [要素:]

聖観音(しょうかんのん)を制作中の先輩がその衣はどうつながっているかを説明してくれました。説明を聞きながら、その複雑な構造にめまいが。よくそんなところまで理解したもんだと驚嘆しました。

聖観音は多くの方がチャレンジする仏像だと思います。人気あります。きれいですしね。でも見るからに彫るのは難しそう。特に衣が。

仏像の衣の布がどうつながっているかなんて考えず、その辺を適当に作ることもできます。私は一応考えるのですが結局よく分からなくて適当にごまかします(^^;

でも上を目指すなら細部をごまかすことなく正確に表現しなくてはいけません。布のどこが丸くてどこが尖っているのか、どこが膨らんでいてどこがへこんでいるのか。高さは厚みは。入り込む先は。そのためには構造を正しく理解する必要があり、これが難しいのです。

布のつながり一つとっても、本に載っている写真数枚から探偵並みの洞察力を発揮して調べたり考えたりします。実際に布をまとってみることもあります。見本の実物があればいいですが多くの場合はピンボケ気味の写真数枚(しかも白黒だったりする)しかないので…。

聖観音

この写真を手掛かりに彫る

その先輩は足元にわずかに重なる布の様から布の巻きを解明しました。
聖観音足元

先生に聞くという手ももちろんあるのですが、それが数日後ならまだしももっと先となると、その日まで作業が止まってしまう事を考えたら自分で何とかするしかありません。

仏像彫刻って手だけでなく頭もかなり使うのです。上記のような上級者の話でなくとも、前後左右4枚の下図から立体を起こしていくだけで頭の中に星が回ります(笑い)。算数ドリルよりよっぽど楽しくて負荷の高い頭の体操ができると思います。

難しく考えず簡素に作り上げることもできるし、精巧さを求めて緻密に正確に作っていくことも可能。難易度は好きなように設定し、自分に合わせてやればいいのです。自由です。趣味だから。楽しいですよ。

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