目の見えない鍼(はり)医さん

2018年12月3日 [ 雑記] [ ]

10歳の時、ひどい捻挫をしました。実家の菩提寺が近くにあり、その山門へ登って遊んで、というか高い所から周囲を眺めておりました。高さ2.5mくらい、バスケットゴールと同じくらいの高さ。そのてっぺんに乗るのが好きでした。

そろそろ帰るかと飛び降りた時にスカートがひっかかり、着地のタイミングがずれたのです。それまでも散々飛び降りて平気だったのに、タイミングがずれるとこうなるんですね。捻挫して、痛みのあまり足を着くこともできません。家までどうして帰ったんだろう?覚えてないけど多分、自転車を片足でこいだんだと思います。そういえば学校もどうしたんだっけ?母に子供を送迎する暇なんてなかったはずだから、学校休んだかも。

整形外科へ行くも湿布が出るのみで状況は何も変わらず。そしたら母が鍼医さんへ連れて行ってくれました。

目の見えないおじいさんがやっている鍼医さんで、すごく良く効きました。1回の施術で足を着けるようになり、3回できれいに治りました。すごいなーと感動して以来、鍼には絶対の信頼を置いています。

他にもすごいと思ったのが、お札の判別。手で触るだけでお札の種類が分かるのです。診療室内もぶつかることなく、ゆっくりではありますが確実に移動していきます。このおじいさん、本当は指に目が付いているんじゃないか?と本気で思いました。こっそり見ても付いてなかったけど(笑い)。

目が見えないと他の感覚が鋭くなるのだそうです。だから人体の変化もより敏感に察知できるのかなと思います。

それ以降、お寺の山門から飛び降りるのはやめました。その後も登っていたような気はしますが…。そして大人になっても高い所が好きな私でした。

炎症時の禁止事項

2018年11月30日 [ 雑記] [ ]

もう少し続く怪我ネタ。

鍼治療でお世話になった接骨院の先生からきっちり言い聞かされたのがこちら。患部が熱を持っている間は飲酒と入浴(湯船に浸かる事)禁止。冷やすこと奨励、温めたり血行促進する行動は炎症がひどくなるからNG。

先生曰く、「例えばインフルエンザで38度を超える熱があったらお風呂には入らないよね。手や足だって同じで、それがたとえ一部分であっても熱が取れるまでは体を温めちゃダメ。患部直接でなくても体全体が温まると今はズキズキ痛いはず。そういう時は患部が高熱。大丈夫、人は垢じゃ死なないって。だけど熱では死ぬこともある、ほんとに。一部分の熱をバカにしちゃいけない。」

なるほどなと思いました。そしてそこから1ヶ月以上、お酒抜き、シャワーのみの生活。11月中旬になって寒さが厳しくなった頃に手の熱もやっと取れまして、ようやくお風呂で温まることができました。さすがにこの時期はシャワーだけじゃ寒いですわ…。

炎症がある時はアイシングが気持ちいいですね。今回は長いことアイスノンのお世話になりました。保冷材持ち歩く生活は初めてでしたが(笑い)。炎症が治まるとアイシングを気持ち良いと感じなくなり、体は正直だなと思いました。

現在、指先にはまだ腫れが残っており力をかけると痛みます。例えばボタンを押したり箸で物を持ち上げたりすることには苦痛を感じるくらい。先日、爪の問題が出てきたので皮膚科の医師にも見てもらったのですが、まだ指の内部損傷が残っているのだろうと言われました。もう1ヶ月くらいは痛いかも、って。

怪我した当初に考えた「年内は制作休み」、すごく的確な時間認識だったわけです。うれしいようなうれしくないような。

ケガ時に助けとなった民間療法

2018年11月28日 [ 雑記] [ ]

病院での治療と併用しても大きな助けになる療法です。ご参考まで。

その力を思い知ったのが里芋パスタ―(湿布)。おばあちゃんの知恵的な昔ながらの民間療法ですが、炎症部分の熱を吸い出す力は恐るべきものでした。4時間ごとに貼りかえることたった5回(1日)、風邪で例えれば高熱が微熱にまで下がりました。そこから平熱までは3日かかりましたが病院の薬では全く変化なかったのだからすごい効果です。アイシング不要となりました。

熱が取れたということは炎症が治まってきたということで、「大丈夫、これで治っていく」と精神的にも安心感を持って過ごすことができました。

自分で作るなら皮をむいた里芋をすりおろして重量の10%のショウガすりおろしを加え、小麦粉を混ぜて耳たぶくらいの軟らかさにして患部へ貼り付けます。ガーゼを乗せて固定し、4時間で効果がなくなるのでできれば4時間ごとに貼り替え。市販品は乾燥粉末になっており保存もできて便利です。

1日1回だとあまり効果を実感できないかもしれません。できれば1日3回以上は貼り換えた方が治りは早いと思います。

それから鍼(はり)。患部の治癒を促したり、怪我のせいで起こる他の部位への痛みにも対処可能。子供の頃、ひどいねんざをして病院では何もできず足を着くことすらできなかったのに1回の鍼治療で7割方腫れが引いた経験がありまして、以来、鍼には絶対の信頼を置いています。今回も助かりました。また治療を終えた今も、鍼を刺していたツボに家で温灸をしてケアしています。

私は、東洋医学を学んだうえで鍼を施す施術者を選んでいます。鍼の技術だけ学んだ人だとコワイ…。

もうひとつ忘れちゃいけない、ナスのへたの黒焼き(デンシー)。これは歯磨き粉です。まともに歯を磨けない状況で、市販の歯磨き粉使用だったら数日のうちに知覚過敏に襲われたでしょうが、これのおかげで1ヶ月、何とか歯磨きできるようになるまで乗り切れました。歯槽膿漏の方にもおすすめ。市販品には野草粉なんかもありますけど歯茎に問題あるならデンシーイチ押し。

他にもフラワーエッセンスやホメオパシーやハーブ・薬草茶、高圧酸素療法などなど、主に東洋医学と代替医療分野、時々最新技術のお世話になりました。

利き手が使えなくて一番困ったのは…

2018年11月26日 [ 雑記] [ ]

週末、教室で久々に彫刻刀を使いました。まだ指先が使えず細かい作業はできませんが、それにまだ結構痛いけど、やっぱり形ができていくのは楽しいです。そしてまだまだ続く怪我ネタ。

最も炎症がひどかった2週間は、利き手の右腕を体にピタッと付けて暮らしました。歩いて腕に振動が伝わるだけでも、右手で怪我していない他の指一本かすかに動かしただけでも、親指に激痛が走ったから。

食事は左手でスプーンかフォークか何なら手づかみ。着替えは夫に手伝ってもらいました。お風呂はシャワーで流すのみ、体を洗うということは無理ですが特に問題なし(寒かったけど)。でもね、どうにもならなかったことがただひとつ。

それは歯磨き。レベルダウンで実害あり。

左手で磨くわけですが、思うところへ手が行ってくれないのです。全然ちゃんと磨けない。時間をかけても磨き残りが。脳ミソと左手の意思疎通が全くダメダメ、まるで気の合わない二人羽織ですよ。年齢的に、きちんと歯磨きできなければ知覚過敏が素早くやってきます。そうなるとますます磨くのが難しくなるのです。焦りました。

右手で何とか磨けないかと歯ブラシを持ってみるも、持っただけで激痛。諦めました。左手で必要最低レベルを磨けるようになるまで1ヶ月近くかかりましたがこればっかりは他人に頼めないし(今はまだね)、ひたすらトレーニングあるのみ。左手との意思疎通を滑らかにするしかありませんでした。

これから想像するに、左手でお箸を使えるようになるには数ヶ月かかると思われます。子供がまっさらな状態から覚えるより時間がかかりそう。

さて、包丁も使えなかったので料理は乾物に頼りました。切り干しの大根・ニンジンやひじきに角切り高野豆腐、市販品と自家製干し野菜とを色々ストックしています。水と調味料を鍋に入れたら乾物を戻さずそのまま放り込んで煮れば完成です。出汁や風味が必要なら粉末の昆布・ショウガ・出し粉、干しエビ、スライスしいたけ。栄養豊富で簡単。使った鍋は洗えないので夫に託してました。

1日1品でも3日分の量を作れば毎日ローテーションしていくから問題なし。車を運転できるようになってからはお惣菜を買ったことも。料理が苦手な夫も週末には炊き込みご飯を作ってくれました(おかずは作れないので)。

包丁と言えば、キッチンバサミが役に立たなかったこと!ハサミって、利き手の親指が使えないと切れないんですね。キッチンバサミに関しては手が2本揃っていないと使えないのだと気付きました。

他にも手が2本ないと、あるいは親指がないとできないことが結構ありまして、手の不自由な人はすごく工夫して暮らしているんだなぁとしみじみ感じ入りました。

ですが、左手の多用は五十肩予防には役立ったと思います。四十肩・五十肩は利き手でない方の、動かす機会の少ない腕に出やすく(私は四十肩で左を痛めたことがあります)、可動域が狭くなって炎症を起こすようです。予防には肩から大きく使うのが一番。日常の動作で物を取る時などひじを上げて腕を動かすと肩の可動域が広がります。脳の活性化には両手を均等に使うのが効果あるらしいし、利き手でない手を意識して使うのはメリットのある事だと思います。

怪我してみて分かったこと

2018年11月22日 [ 雑記] [ , ]

今回の怪我で、前に書いたようなことも含めて分かったことがありました。それがこちら。

まずは何故獣医さんか。うちの犬がお世話になっている獣医さんは、特殊な高度専門医療ではなく日常的な問題にきちんと対処できる知識と技術を持っています。一般的な怪我についてももちろん適切な処置ができる人。私の手もこの人に診てもらえたら1ヶ月で治っていただろうなと、犬の診察時に思いました。ああ、犬になりたかった…。
怪我した右手

その次。人体の再生・治癒速度は普段私が意識している時間よりずっとずっとゆっくり進みました。細胞・分子といった物質レベルだとかなりの速度なのですが生物の体・命ある存在となるとゆっくりです。
不自由な暮らしの中で腹の底から感じたのは、ヒトという生物は本来ゆっくりした時間の中を生きているのだということ。効率とは別世界。普段は機械の速さに合わせていたのですね。特に日本は速いですよ。海外旅行から帰ると1週間くらいはレジのスピードについていけません。

その速度にも関係ありますが適切な処置を施したら(ここ大事)あとは、心身を休め自分の治癒力を信じて待つのみ。それを待てないと安易に薬を頼ろうとします(これ、よくあるのは風邪の時)。
私は、この状態が長引いたせいで後遺症でも残ってしまい仏像彫刻ができなくなったらどうしよう、という恐れから判断を誤りました。待つのが怖くて、いつもだったら絶対しない間違いを犯し治癒が先延びしたという結末。冷静なつもりでも内心の不安は行動に表れて失敗するもんですね。

ですが、これがヒトという生物の持つ本来の生きるスピードなのだと認識した瞬間、目の前の景色が変わりました。違う異次元世界を見つけた感じ。機械に合わせなくていいんだ。心も体もそれが自然で楽。きっとそれは仏像彫刻作品にも影響するはず。